バートルやクロダルマの空調服が高く支持されている理由や上手なお手入れ方法

空調服は高温の環境でも快適に過ごせる作業服として広く普及しています。幾つもの衣料メーカーが空調服を販売していますが、中でもバートルとクロダルマはスタイリッシュなデザインや高性能の送風機器が市場で高く評価されていると言えるでしょう。

ここではバートルやクロダルマが市場の中心的存在になった理由や、空調服の正しい扱い方についてお伝えします。

空調服は空気の断熱性で涼しく感じさせる仕組み

空調服は気温が高い所でも暑さをほとんど感じさせないのが特徴です。熱中症などの体調不良を予防するのに最適とされ、高温になる現場では必需品と言えるでしょう。空調服は付属のファンで衣服の内側に風を送り込みますが、外気をそのまま取り込むので冷風になるわけではありません。

涼しく感じるのは空気の断熱性によって外気の熱が伝わりにくくなるためです。空気は非常に断熱性が高く、一定以上の厚さの層が形成されたら熱がほとんど伝わりません。空調服は衣服の内側に空気の層を作り、断熱効果を得ることで快適な着心地を実現させています。

用途の性質上、空調服の生地は気密性が高くなっているので、ファンを動かさないと却って暑く感じる点には注意しなければいけません。

個性的なデザインで注目されたバートル

空調服の販売を手掛ける衣料メーカーの多くは古くから作業服も手掛けています。バートルも同様であり、前身であるクロカメ被服株式会社の創業当時から作業服販売を行っていました。旧来の作業服は過酷な環境でも傷まないよう、頑丈に作ることが何よりも重視されていた一方、着心地やデザインは軽視されていたのも事実です。

しかしクロカメ被服は衣料メーカー間の常識に囚われず、作業服にもファッション性を持たせることが重要と考えました。作業服におしゃれの概念を取り入れたのはクロカメ被服が最初とされていますが、その姿勢は他メーカーからはさほど評価されなかったのです。

実用的な衣服をおしゃれに作る必要はないとの考えが当時の主流でした。しかし市場では好意的な評価が多く、特に若年層の間でクロカメ被服の作業服が人気になった事実は否定できません。実用的な仕事着であってもおしゃれを楽しみたいのがユーザーの希望であり、その需要を正しく認識したクロカメ被服の手腕は高く評価されるべきと言えるでしょう。

また、クロカメ被服は女性ユーザーのため、作業服にレディースサイズを導入したことでも知られています。女性の社会進出によって、作業服も女性ユーザーが増えると見越した結果です。現在では作業服に男女の違いがあるのは当たり前になっていますが、その当たり前を最初に作ったのがクロカメ被服であることは無視できません。

空調服については後発組だったバートルですが、だからこそ独自路線で市場を席巻できたとも言えます。空調服を扱う衣料メーカーは送風機器の互換性により、2つのグループに分かれていました。そのような中でバートルはどちらのグループにも属さない、独自路線で空調服を販売するに至ったのです。

他メーカーの商品名である空調服の名称を使わず、エアークラフトの名前で販売を開始した他、送風機器も他メーカーとの互換性がない独自の規格でした。一見すると不利な状況ですが、他にはないオリジナリティを保持できるメリットもあります。

「バートルはおしゃれで空調服も高性能」というイメージは見事に定着し、市場の中心的な存在になったのは紛れもない事実でしょう。

バートルの空調服をより涼しく着用するには保冷剤を使おう

袖なしの空調服を最初に作ったクロダルマ

クロダルマは昭和17年に創業した、作業服の老舗メーカーです。作業服作りのノウハウを活かし、空調服市場には比較的早く参入しました。ファンつき作業服の名称で空調服を販売し、使われている送風機器は他メーカーとの互換性もあります。

現在では当たり前になっている、袖なしのベストを空調服に用いたのはクロダルマが最初です。衣服の内側に空気の層を作る仕組みから見て、空調服は生地の面積が大きいほどよいとされていました。そのような中で、他メーカーとの差別化を図るために敢えて、袖なしのベストを空調服に用いたクロダルマは市場に挑戦したと言えるでしょう。

袖の部分がむき出しになるのは欠点に思えますが、腕を動かしやすい利点でもあります。身体を頻繁に動かす現場では、袖なしベストが好都合なのは否定できない事実です。そのため、クロダルマの袖なし空調服は多くの労働者に愛用されました。

現在でもベストタイプの空調服と言えばクロダルマ、というイメージは広く定着しています。

空調服の洗濯は生地の縮みに注意する

空調服は一般的な衣服と同様、家庭用の洗濯機で洗うことができます。ファンなどの送風機器は水濡れによる故障を避けるために外さなければいけません。また、生地の材質によっては縮むおそれがあるので、乾燥機も使わないように心がけます。

ファンを取り付ける部分が縮むとすき間が生じて空気の層が作れなくなるので、しっかりと生地をのばしてシワを取り除くことが大切です。風通しがよい日陰で乾かすのが最善の方法でしょう。クリーニングに出す場合も送風機器を外し、生地の縮みを未然に防ぐことを忘れてはいけません。

ファンなどの送風機器は定期的な交換が必要

空調服を長く愛用するなら送風機器の定期的な買い換えは必須です。これはすべてのメーカーに共通することですが、買い換えが必要になるのは劣化によって性能が落ちるためです。ファンは汚れ、バッテリーは充電機能の低下が買い換えの目安になります。

約2年から3年が買い換えの時期とされていますが、使用環境によってはもっと早く買い換えることになるので一概に言い切ることはできません。また、強い衝撃を受けたり水濡れが生じた機器は内部が故障している可能性があります。

発熱や漏電による事故に見舞われるおそれがあるので、早急な交換が必要でしょう。送風機器は単体で販売されているので空調服ごと買い換える必要はありませんが、互換性の有無には注意しましょう。特にバートルは他メーカーとは互換しないばかりか、同じバートル製品でも2022年モデルは2021年以前のモデルとの互換性を持っていません。

買い換えの際は年式の確認が必須と言えるでしょう。

バートルの上下の空調服の購入前に押さえておきたいポイント

機能性の高さと互換の有無を正しく認識することが大切

バートルやクロダルマは空調服を含む作業服市場で、中心的な存在と高く評価されている衣料メーカーです。高性能な送風機器と、着心地がよくおしゃれなデザインの空調服が多くの人に支持されている結果と言えるでしょう。

高品質な空調服を手掛けているメーカーですが、長く愛用するには正しい方法で扱うことが何よりも大切です。ファンやバッテリーなどの機器は丁寧に扱うと共に、互換性の有無や買い換えのタイミングをしっかりと把握する姿勢が求められます。

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