空調服は衣服の内側に空気の層を作り、遮熱効果で暑さを感じさせない作業服です。屋外や冷房機器が設置できない場所でも使用できるのが利点ですが、メーカーによって性能や着心地が異なるのも事実なので慎重な選択が求められるでしょう。
ここではバートルの製品が普及した理由や性能、電子機器の互換性についてお伝えします。
空気の遮熱性を利用した空調服
空調服は衣服の内側に風を送り込むことで暑さを軽減させる作業服の一種です。風で涼しくなるイメージがありますが、空調服に付いているファンは外気をそのまま送り込むので冷風を出す機能はありません。空気は高い遮熱性があり、液体や固体と比べると温度変化に長い時間を要します。
空調服で涼しく感じるのは空気の層で体が覆われ、外気の熱が遮られるためです。そのため、冷房のように体が冷えすぎる心配がありません。また、ファンで送り込まれる空気の流れで表皮が乾燥し、汗が蒸発することで涼しく感じる側面もあります。
雨天時に空調服を着てもあまり涼しく感じないのは、湿気が多い空気では汗が蒸発しないためです。水濡れによる故障の可能性があるので、雨天時は着用しないのが賢明でしょう。
初期の空調服は問題が多かったが技術の進歩で実用性が向上する
日本で初めて空調服を作ったのはバートルではない別のメーカーですが、その性能は必ずしも高くなかったのは紛れもない事実です。初期の空調服は電池で動く仕組みでしたが、ファンの出力が弱く空気の層をきれいに作るのは困難でした。
また、電池の消耗が激しく、短時間で何度も交換に迫られたことが評価を下げた一因です。送風機器の性能が低かったことに加え、気密性を重視した空調服の着心地も決して快適とは言い難いものだったため、空調服は実用性に乏しいと酷評されました。
しかし技術の進歩にいってファンの性能が上がり、小型ながらも強い出力で厚い空気の層を作ることが可能になりました。また、電源もバッテリーになったことで使用時間が飛躍的に増えたのも事実です。電池式では長くても2時間に満たないのが普通でしたが、バッテリーでは5時間以上の連続使用が可能になりました。
バッテリーは充電式なので、電池のように買い換えで出費が嵩む心配はありません。空調服も気密性の高さを保持しつつ、快適な着心地の製品が増えたことから現在では高温の作業現場に欠かせないと言えます。
後発メーカーながら市場の中心的な存在になる
空調服を販売する衣料メーカーの中で、若年層を中心とした多くの人に支持されているのがバートルです。バートルは作業服メーカーとしての歴史は長いものの、空調服市場では参入が遅かった後発組でした。しかし、おしゃれな空調服と言えばバートルというイメージが広まっているのも事実であり、現在では市場の中心的な存在と言っても過言ではありません。
参入が遅かったバートルが空調服市場で他メーカーを大きくリードする存在になったのは、独自路線を貫いた販売戦略にあります。バートルが参入した頃の市場では、衣料メーカーが送風機器の互換性によって2つのグループに分かれていました。
グループ内では同じ規格の機器を使っていたため、別メーカーでも使い回しが可能でした。そのような中でバートルはどちらのグループにも属さない、独自路線での販売を始めました。空調服は別メーカーの商品名であることからオリジナルの名称であるエアークラフトを用いた他、ファンなどの送風機器も自社の独自規格で製造するに至ったのです。
他メーカー製品との互換性を持たせない方針は不利に思えますが、オリジナルの特性をアピールできる利点もあります。実際にバートルの送風機器は性能が高く、出力の強さや連続使用時間の長さはトップクラスです。加えてバートルの空調服はスタイリッシュなデザインなので、作業現場に限らず様々な場で着こなすことができます。
高性能でおしゃれな空調服が高く支持されるのは当然の帰結と言っても過言ではありません。
バートル特有の注意点について
バートルの空調服はおしゃれなデザインと送風機器の高い性能から幅広い層に支持されていますが、一方でバートルならではの問題がある事実は無視できません。今年購入した空調服に昨年以前の古いバッテリーを使うなど、空調服の送風機器は基本的に同じメーカーなら互換性があります。
しかしバートルの場合、2022年モデルの製品には2021年以前の製品を使うことができません。例えば2022年のファンと2021年のバッテリーには互換性がないので、接続しても動かすことはできません。出力の数値が異なるのが理由ですが、バッテリーの接続部分にある金具の形状も違うので普通なら接続すら困難です。
強引に繋げてもファンが動かないばかりか、漏電や発火のおそれがあるので避けるのが無難でしょう。
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空調服のお手入れは安全第一を徹底する
空調服は一般的な衣服と同様、家庭用の洗濯機で洗うことができます。しかしファンなどの送風機器は洗えないので、必ず外さなければいけません。外した後は洗濯できますが、生地の材質によっては縮むおそれがあるので乾燥機は使わないように注意しましょう。
ファンを取り付ける部分が縮むとすき間が生じて空気が漏れるので、乾かす際は生地をしっかりとのばして形を整えます。風通しがよい日陰で乾かすのが生地を傷めずに乾かすコツです。送風機器は表面を柔らかい布で拭くのが正しいお手入れの方法ですが、ファンやバッテリーは消耗品でもあるので定期的な交換が欠かせません。
使用環境にもよりますが、約2年から3年が交換の目安と言えるでしょう。過酷な環境ではより短期間で交換が必要になります。ファンは内部に汚れが詰まった場合、バッテリーは充電に時間がかかったりすぐに残量が少なくなるなどの不具合が生じたら2年未満の使用でも新しく買い換えるのが無難でしょう。
送風機器は空調服を扱う小売店で販売されている他、作業服専門の通販サイトで購入が可能です。火傷や漏電などの事故を防ぐためにも、年式の確認を忘れてはいけません。
製品ごとの違いを正しく認識するのが長く愛用する秘訣
バートルの空調服は着心地がよく、ファンの性能も高いことから長時間の使用にも適しています。デザインもおしゃれなことから様々な場で着こなせるのが魅力的ですが、他メーカーとの互換性はありません。また、同じバートル製品で年式によっては互換性がないので注意しなければいけません。
初めてバートル製品を購入する人や、空調服を買い換える人はその点を正しく認識する必要があるでしょう。